lanケーブルの内部構造と取り扱いの注意点

lanケーブルは単なる1本の線ではなく、内部には複数の細い線が存在しており、それぞれに役割が割り当てられています。最もシンプルな構造のlanケーブルは、絶縁体に包まれた細い導線が複数本あって、周りを外皮が覆っている形です。曲げやすく取り回しは良いものの、外圧に弱く強く曲げたり曲げ伸ばしを繰り返すと断線してしまうので、扱いは丁寧に行う必要があります。カテゴリが上がるとノイズの影響が無視できなくなるので、Cat6では導線同士の信号の干渉を避ける為に、内部は十字の仕切りで区切られていたりします。

更に上位のカテゴリでは、外皮の下にノイズを遮蔽する薄いテープがあって、導線をノイズから守る形で存在しています。lanケーブルの内部はカテゴリが上がるほど複雑化する傾向で、耐ノイズ性を重視するlanケーブルは、複数のシールド層で構成されていたりします。このようなケーブルは加工が難しいので、製品価格に工賃が割増の形で反映されることから、下のカテゴリの製品と比べて相対的に価格が高くなります。加えて、構造上硬く曲げ伸ばしにくいlanケーブルとなるので、短距離の配線には向いていないです。

内部構造を理解すると適材適所が見えてきますし、なぜカテゴリの高いケーブルほど取り回しが良くないかが理解できるはずです。メーカーも仕方ないと諦めるのではなく、内部構造の見直しや工夫により耐ノイズ性を保ちつつ取り回しの改善に取り組んでいますから、実は新しい製品ほど扱いやすくなっています。

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